ずっと賃貸暮らしのわが家が、終の棲家ともいえる中古マンションを購入しました。
家を建てるつもりでしたが、木材や設備機器、その他の高騰で希望通りの家が建たないとわかって断念しました。
その後、たまたま見に行った物件の内覧会で、夫が窓からの眺望に一目ぼれしてその場で購入申し込みをしたといういわゆる「衝動買い」でした。
マンションは考えていなかったので物件探しもしておらず、軽い気持ちで「見に行ってみようか」と初めて見に行った物件です。
不動産会社の方からも「他は見なくても大丈夫ですか?」と心配されるほどでした。
入居してから想定外のことや不満な所もいろいろ出てきましたが、まあ許容範囲かなとほぼ満足しています。
年齢的にも住宅ローンを組むことには不安もありました。
少し前までは借金を背負うより一生賃貸の方がいいのではないかとも思っていました。
しかし、考えが変わったんです。
年をとると家を貸してもらえないのではないか、という不安が大きくなってきたのです。
先日の日経新聞にこんな記事がありました。
賃貸住宅でもオーナーの役7割が高齢者の入居に拒否感を抱く。
2022年6月5日一面 「高齢者 きしむ「終の棲家」」より
これは、持ち家の人も修繕費の負担が重くなり、終の棲家を確保していても安心はできない。
賃貸の人も7割のオーナーが高齢者に物件を貸すことに拒否感を持っていて、入居がなかなか難しい。
こんな記事でした。
健康に年を重ねられれば良いのですが、体のあちこちに不具合が起きたり、病気になったり認知症になったり、そういったことが自分の身に起きないとは言えません。
そうなってからではおそらく家を借りることもできないし、年金の中から毎月家賃を払うのも大変になってくるでしょう。
ずっと賃貸暮らしであちこち引っ越しした経験から、どの辺でどのくらいの物件だと家賃がいくらぐらいか見当がつきます。
いろいろな本で、「年を取ったら家を売って賃貸に住むのがいい。いざとなったら公営住宅に住めばよい」などと書かれていますが、それには懐疑的です。
家って、住めればいいというものではないと思っています。
雨露をしのげる程度なら、それでも良いのかもしれません。
でも、安い家賃だとそれなりの物件ですし、わが家も仮住まいだからと家賃の安さで決めたアパートは、隙間風どころか鳥が家の中に入ってくるというびっくり経験をしています。
いろいろ考えた結果、賃貸より持ち家の結論を出しました。
いろんな人のいろんな考えがあってよいのです。
人それぞれ、年齢も職業も収入も家族構成も生活スタイルも違います。
「持ち家と賃貸どっちが得か」という記事や話に惑わされずに自分にはどちらが合うか、じっくり考えて答えを出すのがきっと正解です。
私はやっぱり持ち家でよかったかなと感じています。
今まで賃貸でしたので、いつも仮住まいのような気持ちで、ここにこれから先もずっと住むという気持ちにはなれずにいましたが、ようやくここで暮らしていくんだという覚悟のようなものができました。
どこに行っても帰るところができた、という気持ちにもなりましたし、自分の家があるのだからもう賃貸物件探しをしなくてもいい、ずっと住み続けられるんだというのは安心感があります。
犬を飼えないのはちょっと残念ですが、犬より手のかかる夫と二人、ここで楽しい時間を重ねられたらと思っています。
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買物の途中で、パンダの公園を見つけました。
建物の谷間の細長い土地に、ベンチとパンダだけ。
静かでほっとする空間です。